コンピュータ 一覧

HGWとVPNサーバ

佐野は自宅にNTTが提供するフレッツ光ネクストを引いている。
一緒にひかり電話も契約している関係で、NTTからONU一体型ホームゲートウェイ(HGW)であるPR-400NEをレンタルしている。(実情は、買取制度が無いのでレンタルを強制されているのだが…)

さて、このHGWであるPR-400NEに3月のバージョンアップでVPNサーバー機能が追加実装された。
最近はフリーのWiFiスポットも増えてきたが、セキュリティは残念な所が多い。佐野は、十分な暗号化が行われていないWiFiスポットを利用する際は
VPNを利用したいと前から思っていた。しかし、昨今の電力事情をを考えると安易に24時間稼働のサーバーを自宅に置くわけにもいかず、かといって業務用のVPN搭載ルーターは技術面・金額面で入門者である佐野にとって敷居が高い。そんな時にHGWにVPNサーバー機能が実装されたと聞き、早速試してみることにした。以下は簡単な導入の為の覚え書き。

1.HGWのバージョンアップ
HGWはデフォルトで自動でファームウェアをバージョンアップする設定になっている。
しかし、様々な制約により新しいバージョンが公開されても、すぐにNTTが管理する全台のHGWに適用される訳ではなく、徐々に更新がかかるようになっていると聞く。この為、新バージョンが出てからしばらくの間は手動で更新する必要がある。
NTT東日本西日本とも専用ページでファームウェアを公開しているので、これをダウンロードして適用させる。

2.VPNサーバー機能の設定
最新ファームが適用された当初では機能が無効になっている。
「詳細設定」より「VPNサーバ設定」のページに入り、有効にする。
VPN機能を使うセッションはPPPoE周りを変更していなければ、「接続先1」を。
共有鍵は英数字20文字で任意に決めることができない仕様。再生成は可能。HTMLのソースに鍵が平文で埋め込まれているので、コピーする際はソースを表示させると都合が良い。
続いて、アカウントの作成。
VPNアカウントの設定からユーザー名、パスワードを設定。ユーザー名はアルファベットのみ、パスワードは8文字以上が要求仕様になっている。

3.VPNクライアントの設定
今回はクライアントにiPhoneを使った。iOSは5.1.1。
iPhoneのVPNでは、L2TP、PPTP、IPSecが利用できる。しかし、HGWに実装されているVPNはL2TP/IPSecのみ。従って、設定アプリではL2TPを選択。
「説明」には単なる表示名なので、自分が分かる適当な名前を。(例:自宅NW)
「サーバ」にはISPから割り振られたIPアドレスを入力。佐野はDynamicDNS(DDNS)を利用しているので、割り当てされたドメイン名を入力。光回線なので、停電・メンテナンスによる回線断でもない限り同じIPアドレスを長時間割り当てられる場合が多いと思うが、接続の確実性を求めるならDDNSは最低導入したい。HGWにはDDNSのクライアント機能が無いので、別途用意する必要がある。手頃なソフトとしては、DiCEが有名であろう。
「アカウント」には先ほど作成したVPNアカウントのユーザー名を入力。
「RSA SecurID」は2要素認証が提供されていないのでオフ。
「パスワード」はVPNアカウントのパスワード。
「シークレット」にはHGWの設定画面で表示される事前共有鍵を入力。
プロキシなどは必要に応じて設定。VPNをオンにして、ステータスバーにVPNのアイコンが表示されれば接続は成功。当たり前といえば、当たり前なのだがHGW配下で無線LAN機能を使っている時には、VPN機能は使えない。

HGWにはこの他に、ISPから割り当てられたIPアドレスが変更になった際にメールでアドレスを通知する機能があるので、必要に応じて設定。


Microsoft Wireless Mobile Mouse 4000

表題の通り、Microsoftのワイヤレスマウスを購入した。
この会社、ソフトウェア製品は駄目駄目な事が多々あるのだが、ことハードウェア製品では堅実な作りでなかなか壊れない。以前使っていた、名作マウス「IntelliMouseOptical」は8年以上の使用に耐えてくれた。残念ながら、経年劣化と使用時のケーブルストレスにより、USBケーブルが内部断線してしまった。
そんなエピソードがあるので、マウスはMicrosoft、キーボードはFPUと会社を指名して購入している。

今回マウスを購入するにあたって、ノートパソコンがBluetoothに対応しており、貴重なノートパソコンのUSBポートを占領されたくないという理由でBluetooth対応マウスを希望していた。いざ量販店を訪れると、以外と製品が少なく選択肢が無い。どうもBluetoothは通信で他方式より電池を消費するらしく、遠慮されている模様。
仕方なく、2.4GHz帯を使った超小型レシーバーに対応しているMicrosoftの「Wireless Mobile Mouse 4000」を購入。
以下は使用1週間程度の簡単なレビュー。

まず、商品名にMobileという名が示すように、軽く、コンパクト。
単三アルカリ電池を入れても、100gを切る重量である。マウスの大きさは、佐野の手は平均より大き目なのだが、小さすぎるという事もなく、普段使いでも支障のない大きさである。ただ、4番目のクリックボタンが親指のホームポジションの上方に配置されている。佐野の大き目な親指では、指とボタンが1mm程度しなかく、意図しないクリックが発生してしまう事態が発生した為、付属ソフトで無効化。
マウスの動き検出は青色LEDを使った「BlueTrackテクノロジ」を採用。
以前の赤色LEDや赤外レーザーマウスでは正確な読み取りが困難であった素材でも正確に読み取りが出来るのがウリらしい。光源には結構強力な光を放つ青色LEDを使っているが、読み取り面からマウスが離れると、発光が確認できる程度まで減光して電力を抑える設計になっているようだ。あるいは、近年強力な青色光線の目への有害性がクローズアップされたことによる対策という意味もあるのだろうか…。
電池の持ちはアルカリ電池で公称で10ヶ月。24時間電源を入れて10ヶ月持つというのは有りえない話なので、24時間稼働の環境でどの程度持つかは現時点では不明。
背面に電源のオンオフスイッチがあるが、毎日の使用に耐えるだけの強度があるかは不明。公式には「移動時など、長期間使わない場合」のオフをアナウンスしている。

付属するナノレシーバーは、有効距離が5mとなっている。見通しではそれ以上でも使えるが(実測)、障害物があると2,3mでも厳しい感じがする。実際、デスクトップマシンの背面USBポートに接続して使用した所、ポインタが断続的に飛んで使い物にならなかった。ただ、このマシンのUSBポートの配置はナノレシーバーにとって、2方向が鉄板で電波が遮蔽されているという苦しい状況。
仕方なく、前面ポートで使用しているが、数少ない前面ポートが常時占有されるのは少々厳しい。
まぁ、このマウスが使う2.4GHz帯は乱立する無線LANなどでかなり電波帯域が汚染されているので、そういう意味でも厳しい。

追記:
7月7日に新品のアルカリ乾電池(推定製造月:2012-04)を使用開始。
8月29日にマウス表面のバッテリー残量警告LED(赤色)が点滅開始。
この間、24時間電源は入れっぱなし。電池のコンディションにもよるが、ざっくり言って、1.5~2ヶ月間の24時間運用に耐えるようだ。さらに、警告が出ている状態でさらに使用したところ、3ヶ日後に電池が尽きてマウスとしての機能が停止。この時点での解放電池電圧は安物DMMによると1.14V。
使用する電池をアルカリ乾電池から改良型ニッケル水素充電池(eneloopなど)に変更したところ、バッテリー残量警告LEDが点滅してから機能停止までの時間が短くなるという現象が発生した。充電池の特性である放電末期の急激な電圧低下に対応できていない為と思われる。

使用開始から1年と3ヶ月が経過した2013年10月、ホイールのラバーが加水分解で劣化、スクロール機能が使えないという症状が発生。無償交換に。


WD製HDD、RMAの顛末(後編)

梱包が終わり、後編です。
EMSラベルへの記入や梱包などの前編は1つ前のエントリーにあります。

最寄りの郵便局ではなく、支店窓口に最終便に間に合うよう、持ち込み。せっかく、EMSを利用するのに数キロ差で半日余計かかるのは勿体ないので…。
予定通り、最終便に積み込まれ、その日の内に最寄りの国際交換局に到着するも、通関業務が時間外のため翌日に持ち越し。
翌朝に通関許可、第一便でシンガポールへ向けて空輸される。WDのRMA業務を代行する業者が休日だった為、数日間シンガポールの配達局内に不在扱いで留置されてしまった。日本郵便がウェブサイトで案内している配達目安通り、配達局まで2日で到着している。推定飛行ルートは、NGO→SIN。

数日後、WDよりメールにて、RMAを受理した旨のメールが到着。この後、代替品のHDDの型番やトラッキング番号の情報が記載されたメールが送られてくる。今回の場合は、翌日には発送処理がなされたので、1通のメールに受理と発送の連絡が記載されていた。

受理の翌日、マレーシアの物流拠点からFedExが荷物をピックアップ。今回は、FedEx international economy扱いで発送された。
アジア地域では、中国の広州にハブ空港がある関係で、そちらを経由して関空に到着。配達先が、FedExの直接配達エリア外のため、別業者に委託され、ピックアップから8日で到着。推定飛行ルートは、KUL→CAN→KIX。

代替品のHDDは、中央にHDD用の穴があるスポンジシートに納められ、シート全体が上と下から片面波打ちのスポンジで挟まれていた。シンプルかつ確実に衝撃を緩和する梱包方法だと思われる。
ちなみに、またRMAを利用する際はこの梱包材一式は丸ごと再利用できるので、廃棄せずに手元に残しておくとよいと思われる。まぁ、本来ならばRMAなど使わないに越したことはないのだが。

今回は、ミドルレンジ用のBlueクラスのHDDをRMAしたが、代替品はハイエンド用のBlackで帰ってきた。いわゆる当たりの状態である。普通は同等品で返ってくるのだが、アップグレードされた背景には、タイ洪水による影響もあるのだろうか。WDの場合は、代替品の型番は枝番を含めて、トラッキング番号が記載されたメールに載っている。
この代替品のHDDは、新品と同じようなラベルで一見して分からないが、日付の後にRの文字が入っており再生品だということが示されている。裏側のコントロール基板も再生品らしく、経年によるランドの変色が見受けられた。S.M.A.R.T.値は通電回数2回、使用時間0時間となっていた。
この後、全セクタに読み書きを数回行い、純正ソフトで診断をかけてみたがエラーは見受けられなかった。どうやら一応は良品となって帰ってきたようだ。ごく稀に代替品が不良品で帰ってくることがあるので、未開封・未使用で売り飛ばす以外では、エラーチェックは必須だろう。それにしても、稀にあるという不良品が代替品として送られてくるという事案は輸送中に壊れたのか、そういう品質管理なのか、謎である。


WD製HDD、RMAの顛末(前編)

ハードディスクの故障は突然起こる、という話を聞く。
確かに佐野も今まではそのような、感触を持っていた。ところが、今回のハードディスクの故障はS.M.A.R.Tの値が事前に故障警報を出していた。突然死ではなかった訳だ。

幸いか、認識しなくなったHDDはWDによるRMAの対象だったので、最寄の窓口であるシンガポールまで送り、交換した顛末である。

今回、輸送手段としてEMSを使用した。国際便としては、より安いエコノミー航空便(通称:SAL便)があるが、実質トラッキングが不可(トラッキングオプションをつけるとEMSと大差ない金額)で到着まで平均して2~3週間かかる。WDの場合、RMA番号の有効期間は1ヶ月なので、SAL便を使う際には発送直前にコードを取得した方がよい。さもないと、輸送中にコードの有効期限が過ぎてしまうからだ。
また、WDではトラッキングできる輸送手段を推奨している点に注意が必要である。

WDの梱包は、WDのRMA番号を取得する際に示される関連リンクに良い例とダメな例が写真入りで載っているで、それを参考に行う。
EMSは荷物の総重量で料金が変わってくる。数グラムの超過で、一段階上の料金を取られるのもアレなので、スケールで重さを計りながら梱包するのもアリかと思われる。

WDを含めほぼ全HDDメーカー共通のルールだが、対象のHDDはESD対策されたバックに入れないと、受け取り拒否する旨があるので、対策バックに入れる。バルクで売られているHDDは、大抵は銀色の半透明なアルミ積層バックに入れられて販売されていると思うので、それを流用すれば問題ない。今回は、Amazonで扱いがある電気工具で有名なメーカーであるHOZAN製のESD対策バック(F-54-A @15.7円)に入れた。
その上で、エアーパッキンで巻き付け、ダンボール箱に納めた。輸送中の振動で動くことが無いよう、隙間をしっかり緩衝物で埋める。なお、WDはエアーパッキンを使っても問題無いとしているが、Seagateは禁止している。工具店や大き目のホームセンターでは、緩衝用のスポンジが売っているが、思いのほか高いので、洗車用や掃除用のを流用するなど各自工夫が必要だろう。
最後に、印刷して同封するよう指示された書類を一番上に入れて、封をする。なお、この書類には2ヶ所、日付と署名を記入する欄があるので忘れずに。

ダンボールの天面と側面、計3面に「RMA #********」と取得した番号を油性ペンで大きく記入し、指示された正方形のバーコードラベルを張り付ける。ラベルは輸送中に剥がれる恐れがあるので、糊よりは透明テープでラベル全体を保護するように張り付けるのがベター。
EMSのラベルの配達先はWDから指示されたアドレスを転写。都市名は空白で問題ない。
内容品はHDD又はHard disk drive、念のため型番、「In Warranty Replacement」を記入。HSコードは空欄でも問題ない。今回は内蔵HDDなので、8471.70.4065と記入。原産国はHDDの筐体ラベルに印字してある国名を記入。価格は今回はUS$100とWDからRMAの申請の際に提示されたので、そのまま記入。日本円換算合計は多分、補償の際に必要になるのだろう。発送日の為替レートから余裕を少し入れて8400円とした。内容品が危険物でない旨のチェックを入れ、署名をして完成。

EMSは宅配便扱いなので、郵便局に連絡すると自宅まで回収しに来てくれる。国内扱いのゆうパックと違い、窓口持参による料金割引のサービスはない。

以上で、前編は終わり。
後編は発送から到着まで。意外な物に化けて帰ってきたHDDについてレポートする。

追記:
WDの都合により、RMAの窓口がシンガポールからマレーシアに変更になった模様。


囲まれた世界の弊害

先日からtwitter界隈で、東工大のミニブログ、ブログ、SNSの利用における注意というページが話題になった。
昨今、こうしたメディアで20代以下の人を中心として犯罪を示唆する書き込み(未成年者による飲酒など)が原因で炎上し、個人が特定されるという事態が多発しての措置だと思われる。

さて、このような事態は何故多発するのだろうか。これについては様々な推察が行われている。
一例を挙げれば、人生経験が浅い、リテラシーが教育されていない、などである。また、インターネットが共有財であり、良くも悪くも誰からも保護されていない環境であるという認識が薄いという指摘もある。
佐野は根本原因として、最初にインターネットに触れたのが携帯電話だったからではないかと考えている。
スマートフォン以前の携帯電話によるインターネットという世界は、パソコンからの世界とは異なり、キャリアが用意した巨大なローカルネットワークを通してインターネットにアクセスするという特殊な環境だった。このローカルネットワークの中に、キャリアの公式サイトや携帯向けコンテンツプロバイダーのサイトが概念的には置かれ、インターネット側からの保護を受けてきた。それは、キャリアの絶対的な優位性を守り、貧弱な通信端末を不都合な事実から守るためであり、キャリア課金などのシームレスなシステムを利用する為の要請でもあった。
こうした一種のムラ社会の中では、善と悪の両方の独自の文化が育まれていく。そこには、犯罪を仄めかす書き込みを許容する空気も存在したのだろう。
そのようなムラの常識を保護されていないインターネットの世界に持ち込めば、炎上のきっかけになるのは想像に難くない。

一方で、30歳以上で炎上の被害者が少ない理由としては、対人経験を積んで、どこまでが安全か学んでいる場合が多いのではないだろうか。
また、2ちゃんねるなどのクセのある掲示板で痛い目にあうなど、ネットのリテラシーを体得しているからではないかと考えるが、如何だろうか。


ノートパソコンの腑分け

更新するネタが尽きかけているので、半年前に書きかけだったネタを加筆して公開。
今やARM系CPUを搭載したタブレットに押されて、完全にマーケットが死んだネットブック。佐野は従来のノートパソコンと比較して低性能ながらも、安価でバッテリーが長時間持つという理由から愛用していた。噂ではARM版Windowsを開発しているという話も聞くが、従来のソフトウェア資産をARMへ移行するのは、現時点では相当な困難を伴うか不可能だと思っている。これも佐野がタブレットを買わない理由の一つ。

さて、前置きが長くなった。
ある日、愛用していたノートパソコン「EeePC 1005HR」から異音がするようになった。原因を探っていくと、冷却ファンが動作不良を起こしていたのだ。放置しておくと、CPUの過熱保護機能であるサーマルシャットプロテクトによる電源断が発生する始末。
流石にマズイので、ebayから専用の放熱用銅版付ファンを個人輸入し、交換した。
故障の原因として、ファン部分の物理故障と制御回路の故障が考えられるが、後者は個人では修理不可能に近いレベルなので前者であることを期待した訳だ。

以下には具体的な分解方法が書いてあるが、当然ながら無保証である。
また、以下の様子は佐野が使用した製品の場合であって、全ての同モデルで同じ手法が使えるかは不明。

1.内蔵バッテリーを外し、背面から見えるネジを全て外す。1本はメモリの蓋を外さないと、外れない位置に隠れているが、これも外す。
2.キーボードを外す。ファンクションキーの上側に外すツメが隠れているので、ESCキー周辺を起点に爪楊枝等で楔をキーボードシートに打ち込み、ツメを押して外す。キーボードはZIFコネクタを経由して、基板に繋がっている。マザーボードに採用されているZIFコネクタは、ロック機構が水平に引くタイプと垂直に持ち上げるタイプが混在しているので、壊さないように十分確認してロックを外し、本体から分離する。
3.パームレストの分離。裏側とはプラスチックのツメとネジで固定されているので、慎重に手で外す。ネジは全てキーボード下にある。隠しネジは無いが1本は保証シールの下にあるので外し忘れに注意。覚悟を決めて、保証シールを破る。両側にある液晶のヒンジを起点に作業するとやりやすい。LEDのインジケータ周辺は固いのでより慎重に。タッチパッドのケーブルの外し方はキーボードと同じ。
4.パームレストを外すとCPUが姿を現す。剥き出しなので、固い物を当ててコアを欠けさせないこと。
5.無線LANカードを外す。USB用フラットケーブルの下にネジが1本隠れている。1本外すだけで、本体基板から分離できるので、本体から外しておく。LANカードからの同軸ケーブルは外した経験が無ければ触らない方が無難。
6.HDDを覆うように配線されているDAUケーブルを外した後、HDDを外す。HDDは固定用金枠で背面と固定されている。金枠のネジを外した後、SATAコネクタと反対の方向へ気持ち程度持ち上げながらスライドさせて外す。HDDを外したら、隣にある有線LANコネクタ用のケーブルも外す。
7.基板と裏側筐体を固定しているネジ4本を外す。(USBコネクタ横、バッテリコネクタ横、キーボードコネクタ付近、液晶ヒンジ付近の2本あるネジのファンに近い方)
8.USB用のフラットケーブルを外すと基板を筐体から外せる。外した後、布巻きされている液晶パネル用ケーブルを引き抜く。基板は微妙な塩梅で筐体に挿入されているので、試行錯誤して外す。30度程度上向きに引っ張りながら横にスライドさせると外しやすいか?
CMOS用のバックアップバッテリーや長細いBluetoothユニットが基板に残っているが、触らなくてもよい。基板を筐体から外すと、1cm大のコの字型のゴムも一緒に外れる。ケンジントンロックの金具が内部で干渉した際にショートを防ぐ大事な役割があるので、捨てないこと。

分解動画がYoutubeに挙がっているので、「eeepc 1005 repair」等のキーワードで検索して、予習しておくとよいだろう。また主要ケーブル類はZIFコネクタなどで固定され、ネジもプラスだけが使用されているので、ノートパソコンの分解の中では難しい部類ではない。


怪しい中華製ACアダプタ

手元に超小型ACアダプターがある。
一見したところ、白を基調とした無駄のないデザインで洗練されている印象を受ける。
また、アダプタの刻印には「Designd by Appie in California」と記されている。デザインといい、この文字列といい、某有名会社の製品を想起させる。と言うより、パチ物である。この手の商品に多い、会社名は故意した間違えであろうが、デザインのスペルが間違っているのは何故だろうか。

早速、分解に取り掛かるが、樹脂の接着部は意外と強力に接着されており、精密マイナスドライバーでコジってもびくともしない。仕方がないので、USB端子に近い側面プラスチックを金ノコで削る。
中身を引っ張り出すと、2cmの正方形の両面ガラスエポキシ基板が2枚、ケーブルで繋がった状態で姿を現す。
肝心の中身の部品であるが、電解コンデンサは400V4.7uF(1次側)、25V47uF、10V22uFが実装されている。さほど通電時間が経過していないにも関わらず、1次側の電解コンデンサが劣化しており、ゴムキャップから電極が見えている。ご丁寧に”VENT”と印刷されているのは高度なギャグであろうか。(一応、防爆弁はある)
その他には、700V高耐圧NPNトランジスタ、フィードバック用フォトカプラ、高周波トランス、仕様不明のチップトランジスタ2点とセラミックチップコンデンサ、抵抗、ダイオードで回路が構成されている。
スイッチング電源で普通見受けられるブリッジダイオードが無かったり、部品が斜めに部品が実装されていたりと、いかにも中国製らしい作りである。

本来ならば、パターンを追って回路図を書こうかと考えていたが、両面基板なの部品を外しながらでないと回路を追えないので断念した。
怪しさ満載の中国製製品なので、半田を溶かして外していく工程で変なヒュームを吸いたくないというのも理由である。


神と神をわけたいか

神はUnicodeでU+795E上にマッピングされている。
一方、神はU+FA19上にマッピングされている。

Unicodeの意義からするとこれは奇妙なことである。神(U+975E)は各国の文字コードに割り当てがあるので、なんら問題はない。神(U+FA19)は今のところJISとAdobe-Japan以外でコード割り当てがない。つまり、神(U+FA19)は他の漢字文化圏では需要が殆ど無いか、Unicodeという国際規格云々の前に国レベルの文字コードとして包摂されている可能性が高い。
このような字形は普通、U+975Eの中にU+FA19を異体字として包摂するのが本来の方法である。わざわざ異体字に別のエリアを割当てるのは異質に感じる。Unicodeとして漢字統合を進めたのだから、使用頻度に関わらず、異体字は同じ文字コードを割当てるべきだったのではないか。Unicode側の言い分としては、広く流通している漢字なので、別コードを割当てたということになっている。
今回問題にした字はたまたま別の文字コードが割り当てされているが、異体字で同じコードに包摂されている字も存在する。その辺りの基準が見えてこない。
ここまでがUnicode側の問題点。

Windows環境では、この漢字表示に混乱が見られる。
MS Pゴシックやメイリオでは正しくU+975EとU+FA19が区別されており、両者ともUnicode標準の字形に近い。このフォントを使う限りにおいては、ほぼ入力者の意図通りに区別されて表示される。
一方で、非漢字言語圏から参照される割合の高いArial Unicode MSではU+975EもU+FA19も同じ神として表示されてしまう。

コード上では別の字として扱われるが、フォントによっては同じ字として扱われている「神」。
なかなか、受難の漢字である。


ファン故障

外出先でちょっとした軽作業に使用していた、EeePCの冷却ファンが壊れた。
今まで、ガリガリと異音を発しながら風を発生させていたので、恐らく軸受けが破損したのだろう。このノート、冷却はこの一つのファンで全てを賄っているので、ファンが止まると恐ろしい勢いで内部温度が上昇する。
流石に低発熱のAtomプロセッサとはいえ、CPUダイ内のダイオード温度が70度、基板温度が80度まで上がると、こちらも冷や汗物である。(耐熱限界とか、部品の張力によるクラックの可能性とか…)

さて、どうしたものか。
実はこのノート、HDDを750GBに換装するという処置をしており、メーカー修理に出すことが出来ない。
困ったと思って、eBayを覘くと、丁度同じ型番用のファンが単体で売られている。アカウントはあるが、セラーさんが海外発送をしてくれるかが最大の問題だ。
ファンの代替品が用意できるまでは、怖くて電源を入れられない。

CULVノートの台頭でめっきり見かけなくなったネットブック。
佐野としては、ほぼ1kg程度のコンパクトさと長時間稼動、低価格と非常に魅力的な商品だった。前者2つが揃った、ビジネスノートで10万円前半からという中で、5万円程度と非常にありがたかった。


囲い込み

有名パソコンソフトで高価な製品といえば、Adobe社の製品が思いつく。
業務で使う分には経費で落ちるので懐には痛くないが、個人で使おうとすると結構な金額になる。学生の頃から安価な価格で体験を提供して将来へ繋げるビジネスモデルはソフトウェア一般に言えるが、Adobeの製品クラスになると価格差が酷いと感じる人も多いのではないだろうか。
最新のCS5.5のMaster Collectionとなると正式版と学割版で75%、約30万円程金額が違ってくる。Adobeさん、…と思ってしまうのは佐野だけではあるまい。

一方でMicrosoftも負けていない。
開発系ソフトのVisual Studio 2010などは学割で定価の1割でパッケージ版が買える。
多少入会の手続き等が面倒だが、DreamSparkを使えば、無料でVisual Studioが使える。定価で10万円以上するソフトが実質無料になるのだから、Microsoftも凄い。他にも無償提供されるソフトの一覧を眺めていると、Windows Server 2008R2など、定価で10万円を超える高額ソフトが何本かある。
ただ、DreamSparkで提供されるシリアルキーはパッケージ版とは違い、ライセンス認証に制限があるなど、デメリットもある。

とここまで書いて、両者ともBSAのメンバーだということに気がついた。


1 2