囲まれた世界の弊害

先日からtwitter界隈で、東工大のミニブログ、ブログ、SNSの利用における注意というページが話題になった。
昨今、こうしたメディアで20代以下の人を中心として犯罪を示唆する書き込み(未成年者による飲酒など)が原因で炎上し、個人が特定されるという事態が多発しての措置だと思われる。

さて、このような事態は何故多発するのだろうか。これについては様々な推察が行われている。
一例を挙げれば、人生経験が浅い、リテラシーが教育されていない、などである。また、インターネットが共有財であり、良くも悪くも誰からも保護されていない環境であるという認識が薄いという指摘もある。
佐野は根本原因として、最初にインターネットに触れたのが携帯電話だったからではないかと考えている。
スマートフォン以前の携帯電話によるインターネットという世界は、パソコンからの世界とは異なり、キャリアが用意した巨大なローカルネットワークを通してインターネットにアクセスするという特殊な環境だった。このローカルネットワークの中に、キャリアの公式サイトや携帯向けコンテンツプロバイダーのサイトが概念的には置かれ、インターネット側からの保護を受けてきた。それは、キャリアの絶対的な優位性を守り、貧弱な通信端末を不都合な事実から守るためであり、キャリア課金などのシームレスなシステムを利用する為の要請でもあった。
こうした一種のムラ社会の中では、善と悪の両方の独自の文化が育まれていく。そこには、犯罪を仄めかす書き込みを許容する空気も存在したのだろう。
そのようなムラの常識を保護されていないインターネットの世界に持ち込めば、炎上のきっかけになるのは想像に難くない。

一方で、30歳以上で炎上の被害者が少ない理由としては、対人経験を積んで、どこまでが安全か学んでいる場合が多いのではないだろうか。
また、2ちゃんねるなどのクセのある掲示板で痛い目にあうなど、ネットのリテラシーを体得しているからではないかと考えるが、如何だろうか。


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