手元に超小型ACアダプターがある。
一見したところ、白を基調とした無駄のないデザインで洗練されている印象を受ける。
また、アダプタの刻印には「Designd by Appie in California」と記されている。デザインといい、この文字列といい、某有名会社の製品を想起させる。と言うより、パチ物である。この手の商品に多い、会社名は故意した間違えであろうが、デザインのスペルが間違っているのは何故だろうか。
早速、分解に取り掛かるが、樹脂の接着部は意外と強力に接着されており、精密マイナスドライバーでコジってもびくともしない。仕方がないので、USB端子に近い側面プラスチックを金ノコで削る。
中身を引っ張り出すと、2cmの正方形の両面ガラスエポキシ基板が2枚、ケーブルで繋がった状態で姿を現す。
肝心の中身の部品であるが、電解コンデンサは400V4.7uF(1次側)、25V47uF、10V22uFが実装されている。さほど通電時間が経過していないにも関わらず、1次側の電解コンデンサが劣化しており、ゴムキャップから電極が見えている。ご丁寧に”VENT”と印刷されているのは高度なギャグであろうか。(一応、防爆弁はある)
その他には、700V高耐圧NPNトランジスタ、フィードバック用フォトカプラ、高周波トランス、仕様不明のチップトランジスタ2点とセラミックチップコンデンサ、抵抗、ダイオードで回路が構成されている。
スイッチング電源で普通見受けられるブリッジダイオードが無かったり、部品が斜めに部品が実装されていたりと、いかにも中国製らしい作りである。
本来ならば、パターンを追って回路図を書こうかと考えていたが、両面基板なの部品を外しながらでないと回路を追えないので断念した。
怪しさ満載の中国製製品なので、半田を溶かして外していく工程で変なヒュームを吸いたくないというのも理由である。