ノートパソコンの腑分け

更新するネタが尽きかけているので、半年前に書きかけだったネタを加筆して公開。
今やARM系CPUを搭載したタブレットに押されて、完全にマーケットが死んだネットブック。佐野は従来のノートパソコンと比較して低性能ながらも、安価でバッテリーが長時間持つという理由から愛用していた。噂ではARM版Windowsを開発しているという話も聞くが、従来のソフトウェア資産をARMへ移行するのは、現時点では相当な困難を伴うか不可能だと思っている。これも佐野がタブレットを買わない理由の一つ。

さて、前置きが長くなった。
ある日、愛用していたノートパソコン「EeePC 1005HR」から異音がするようになった。原因を探っていくと、冷却ファンが動作不良を起こしていたのだ。放置しておくと、CPUの過熱保護機能であるサーマルシャットプロテクトによる電源断が発生する始末。
流石にマズイので、ebayから専用の放熱用銅版付ファンを個人輸入し、交換した。
故障の原因として、ファン部分の物理故障と制御回路の故障が考えられるが、後者は個人では修理不可能に近いレベルなので前者であることを期待した訳だ。

以下には具体的な分解方法が書いてあるが、当然ながら無保証である。
また、以下の様子は佐野が使用した製品の場合であって、全ての同モデルで同じ手法が使えるかは不明。

1.内蔵バッテリーを外し、背面から見えるネジを全て外す。1本はメモリの蓋を外さないと、外れない位置に隠れているが、これも外す。
2.キーボードを外す。ファンクションキーの上側に外すツメが隠れているので、ESCキー周辺を起点に爪楊枝等で楔をキーボードシートに打ち込み、ツメを押して外す。キーボードはZIFコネクタを経由して、基板に繋がっている。マザーボードに採用されているZIFコネクタは、ロック機構が水平に引くタイプと垂直に持ち上げるタイプが混在しているので、壊さないように十分確認してロックを外し、本体から分離する。
3.パームレストの分離。裏側とはプラスチックのツメとネジで固定されているので、慎重に手で外す。ネジは全てキーボード下にある。隠しネジは無いが1本は保証シールの下にあるので外し忘れに注意。覚悟を決めて、保証シールを破る。両側にある液晶のヒンジを起点に作業するとやりやすい。LEDのインジケータ周辺は固いのでより慎重に。タッチパッドのケーブルの外し方はキーボードと同じ。
4.パームレストを外すとCPUが姿を現す。剥き出しなので、固い物を当ててコアを欠けさせないこと。
5.無線LANカードを外す。USB用フラットケーブルの下にネジが1本隠れている。1本外すだけで、本体基板から分離できるので、本体から外しておく。LANカードからの同軸ケーブルは外した経験が無ければ触らない方が無難。
6.HDDを覆うように配線されているDAUケーブルを外した後、HDDを外す。HDDは固定用金枠で背面と固定されている。金枠のネジを外した後、SATAコネクタと反対の方向へ気持ち程度持ち上げながらスライドさせて外す。HDDを外したら、隣にある有線LANコネクタ用のケーブルも外す。
7.基板と裏側筐体を固定しているネジ4本を外す。(USBコネクタ横、バッテリコネクタ横、キーボードコネクタ付近、液晶ヒンジ付近の2本あるネジのファンに近い方)
8.USB用のフラットケーブルを外すと基板を筐体から外せる。外した後、布巻きされている液晶パネル用ケーブルを引き抜く。基板は微妙な塩梅で筐体に挿入されているので、試行錯誤して外す。30度程度上向きに引っ張りながら横にスライドさせると外しやすいか?
CMOS用のバックアップバッテリーや長細いBluetoothユニットが基板に残っているが、触らなくてもよい。基板を筐体から外すと、1cm大のコの字型のゴムも一緒に外れる。ケンジントンロックの金具が内部で干渉した際にショートを防ぐ大事な役割があるので、捨てないこと。

分解動画がYoutubeに挙がっているので、「eeepc 1005 repair」等のキーワードで検索して、予習しておくとよいだろう。また主要ケーブル類はZIFコネクタなどで固定され、ネジもプラスだけが使用されているので、ノートパソコンの分解の中では難しい部類ではない。


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