佐野 一覧

宗教系同人誌を作る理由

どこかで内容を書いたり、弊サークルまでいらした方には説明したが、改めて。

同人誌といえば、世間的には二次創作をイメージされる。そんな中で、情報・論評サークルはマイノリティ側に属する。さらにその中の、宗教関係ともなると、コミックマーケットでさえサークル数は片手で足りるほどの過疎分野である。(註)
そんな環境の中で同人誌を作る理由を説明したい。

日本では、世界的に見てかなり厳格な政教分離の政策が行われてる。
従って、公には特定宗教を支援することは禁じてとされている。よって、公教育である小・中学校や大多数の高校では宗教は教えられない。過去の判例―所謂、目的効果基準によって、教育することが支援と解釈されるためであろう。こうして、教育の中では、宗教に絡む事象は歴史上の一事象として捉えられ、歴史教育の中に押し込められている。また、一部の宗教的要素は倫理としても扱われているが、専門教育を受けた教師が教鞭をとっていないなど、問題も多い。
その結果どうなったか。
大学で何の前提知識も持たずに、宗教と対面する機会が訪れることがある。一例を挙げれば、日本の最高学府である東京大学の一部の学生がオウム真理教にのめり混むという、頭を傾げたくなる出来事が発生する。これは少々宗教(学)を学んだ人間からすれば、別段不思議なことでもない。また、最近は若干の鎮静化を見せているとは言え、依然キャンパスカルトの問題は横たわっており、こうした大学と宗教の問題は、公教育のツケが回っている気がする。
こうした荒地と化したと譬えられる日本の宗教や精神文化への理解の一助となれば、との思いから同人活動をやっている。もちろん、当人が宗教学が好きで(対象は客観視した宗教で、必ずしも特定宗教とはイコールではない点に注意)やっているという意味も大きいのだが…。

様々な所で伝えているが、特定宗教を宣伝することを目的としては活動していないので、同人誌の表現を含め宗教の勧誘を行うことについては抑制的です。勧誘等はありませんので、安心して、サークルスペースまでお越しください。

註:
神道や仏教などの特定宗教に限定した場合はジャンル違い(訪問記など)を含めれば2ケタはいくだろうが、流石に100は超えないだろう。


宗教の最後の日

久しぶりに宗教ネタ。

誰もが知っているような宗教では、創始が遥か昔、今まで綿密と続いているように感じがちである。
それは関係者の努力の賜物であるが、宗教は結構、浮き沈みが激しい分野でもある。

我が日本においても、明治維新後や終戦後のに数回の宗教ブームが発生した。だが、近年はスピリチュアルなど従来の宗教学が定義しない宗教類似行為はブームになっているものの、宗教ブームは発生していない。
ここで問題となってくるのが、宗教ブームに乗った宗教の教化である。
特定宗教に依存しない問題では、団塊世代が信者となっているが、団塊Jr世代は無関心であるというケースである。数の力で勝負してきた面があるだけに、一挙に団塊世代がリタイアとなると、教団の存亡に関わる。
また、教祖に聖性(カリスマ)が強すぎると、次期トップを決めるのに難儀する例は沢山ある。

このような新宗教に対して、伝統宗教は盤石かといえばそうでもない。
巨大化した組織がかかえやすい、硬直化である。
近年は情報技術の発達などによって、社会全体の動きが高速化している。そのような中で、時代のトレンドに合致させるのに時間を要す、所謂「大企業病」に罹患していると思われる教団も少なくない。福島第一原子力発電所の事故を受けて、世間では急速に脱・原発の流れに傾いた。この流れの善悪はここでは保留するが、仏教系宗教団体が脱・原発の声明を発表したのはそれから随分後のことである。

時代の流れに乗り遅れた企業はその市場からの退場という処遇が待っている。
ちなみに、一年間に宗教法人として認可申請される宗教は数百、また、その申請数の半分近い法人が毎年法人格を失っている。

法人格が無くなっただけでは、宗教団体として存続することも可能であるが、不動産の取得や各種手続きなどで、格段に困難が伴う。


三本足と半導体産業の黄昏

2SC1815。
電子関係では知らない人がいない程有名な東芝のトランジスタである。
オールマイティな特性と入手しやすさから、数十年にわたって定番部品であった。

しかし、時代の変遷により、電子部品の主役はリード線部品より表面実装タイプの部品に移行していった。
そうして、最大の需要家である産業向けが失われ、細々と生産されていた製品も整理の為に生産中止とアナウンスされた。この報に最大の利用者であるホビー向けは、あと数年は(市場に回っている過剰部品を含め)大丈夫だろう、と楽観的な観測が大多数を占めていた。
だが、今月に入り、ホビーユースでは知らない人はいないであろう、秋月電子での販価が3倍程度、引き上げられた。元来、1個数円程度で販売されていたところが、10円程に上がってもさして影響がある訳ではない。また、既存設計で該当トランジスタの特性をフルに活用した回路ばかりではなく、置き換えもさして困難ではない。

佐野がこの一連の流れから思ったのが、タイトルにした「半導体産業の黄昏」である。
半導体(DRAM)が産業の米と言われたのは、今は昔。
DRAMメーカーのエルピーダは言うまでもなく、ルネサスなど、日本半導体産業が半分死にかけている状態だ。気がついたら、韓国や台湾勢が猛烈に追い上げをかけている。一部分野では、既に追い抜かれている。
パーツから最終組み上げまで一国で仕上げていた日本製品は今や探すのが難しい状況で、世界の工場といえば中国に移り変わっている。
物作りの日本はどこへ行くのだろう。


Microsoft Wireless Mobile Mouse 4000

表題の通り、Microsoftのワイヤレスマウスを購入した。
この会社、ソフトウェア製品は駄目駄目な事が多々あるのだが、ことハードウェア製品では堅実な作りでなかなか壊れない。以前使っていた、名作マウス「IntelliMouseOptical」は8年以上の使用に耐えてくれた。残念ながら、経年劣化と使用時のケーブルストレスにより、USBケーブルが内部断線してしまった。
そんなエピソードがあるので、マウスはMicrosoft、キーボードはFPUと会社を指名して購入している。

今回マウスを購入するにあたって、ノートパソコンがBluetoothに対応しており、貴重なノートパソコンのUSBポートを占領されたくないという理由でBluetooth対応マウスを希望していた。いざ量販店を訪れると、以外と製品が少なく選択肢が無い。どうもBluetoothは通信で他方式より電池を消費するらしく、遠慮されている模様。
仕方なく、2.4GHz帯を使った超小型レシーバーに対応しているMicrosoftの「Wireless Mobile Mouse 4000」を購入。
以下は使用1週間程度の簡単なレビュー。

まず、商品名にMobileという名が示すように、軽く、コンパクト。
単三アルカリ電池を入れても、100gを切る重量である。マウスの大きさは、佐野の手は平均より大き目なのだが、小さすぎるという事もなく、普段使いでも支障のない大きさである。ただ、4番目のクリックボタンが親指のホームポジションの上方に配置されている。佐野の大き目な親指では、指とボタンが1mm程度しなかく、意図しないクリックが発生してしまう事態が発生した為、付属ソフトで無効化。
マウスの動き検出は青色LEDを使った「BlueTrackテクノロジ」を採用。
以前の赤色LEDや赤外レーザーマウスでは正確な読み取りが困難であった素材でも正確に読み取りが出来るのがウリらしい。光源には結構強力な光を放つ青色LEDを使っているが、読み取り面からマウスが離れると、発光が確認できる程度まで減光して電力を抑える設計になっているようだ。あるいは、近年強力な青色光線の目への有害性がクローズアップされたことによる対策という意味もあるのだろうか…。
電池の持ちはアルカリ電池で公称で10ヶ月。24時間電源を入れて10ヶ月持つというのは有りえない話なので、24時間稼働の環境でどの程度持つかは現時点では不明。
背面に電源のオンオフスイッチがあるが、毎日の使用に耐えるだけの強度があるかは不明。公式には「移動時など、長期間使わない場合」のオフをアナウンスしている。

付属するナノレシーバーは、有効距離が5mとなっている。見通しではそれ以上でも使えるが(実測)、障害物があると2,3mでも厳しい感じがする。実際、デスクトップマシンの背面USBポートに接続して使用した所、ポインタが断続的に飛んで使い物にならなかった。ただ、このマシンのUSBポートの配置はナノレシーバーにとって、2方向が鉄板で電波が遮蔽されているという苦しい状況。
仕方なく、前面ポートで使用しているが、数少ない前面ポートが常時占有されるのは少々厳しい。
まぁ、このマウスが使う2.4GHz帯は乱立する無線LANなどでかなり電波帯域が汚染されているので、そういう意味でも厳しい。

追記:
7月7日に新品のアルカリ乾電池(推定製造月:2012-04)を使用開始。
8月29日にマウス表面のバッテリー残量警告LED(赤色)が点滅開始。
この間、24時間電源は入れっぱなし。電池のコンディションにもよるが、ざっくり言って、1.5~2ヶ月間の24時間運用に耐えるようだ。さらに、警告が出ている状態でさらに使用したところ、3ヶ日後に電池が尽きてマウスとしての機能が停止。この時点での解放電池電圧は安物DMMによると1.14V。
使用する電池をアルカリ乾電池から改良型ニッケル水素充電池(eneloopなど)に変更したところ、バッテリー残量警告LEDが点滅してから機能停止までの時間が短くなるという現象が発生した。充電池の特性である放電末期の急激な電圧低下に対応できていない為と思われる。

使用開始から1年と3ヶ月が経過した2013年10月、ホイールのラバーが加水分解で劣化、スクロール機能が使えないという症状が発生。無償交換に。


文化を遺すということ

雅楽関係者で有名な、鵜殿という場所がある。
この場所は、大阪府高槻市を流れる淀川流域のヨシ群生地である。この鵜殿でとれたリードに相当する蘆舌が最高品とされてきた。そのような鵜殿が存続の危機に陥っている。
このまま言挙げせずに放置すると後悔しそうなので、エントリーを書いてみた。

再び事態が動き出したのは、朝日新聞の記事が伝えている。

新名神 建設再開へ 国交省03年凍結の2区間
 国土交通省は、2003年に建設が凍結された新名神高速道路の2区間の着工を認める方針を固めた。採算がとれないとされていたが、地震に備え、物流に必要な道路の整備を進める方針に転じた。完成すれば、新名神は全線が開通する。〔中略〕新たに着工する2区間は、大津市―京都府城陽市と同府八幡市―大阪府高槻市の計35キロ。〔中略〕ただ今回の2区間は小泉政権が進めた道路公団民営化で採算がとれない恐れがあるとして、着工が凍結された。〔後略〕

「朝日新聞」 名古屋版朝刊 2012年4月2日号より

この新聞記事で対象となってる京都府八幡市~大阪府高槻市までの区間に鵜殿が含まれている。計画では、鵜殿を横切る形で高速道路の建設が予定されている。
この新聞記事にもあるように、元々高速道路は計画されていたが、諸々の都合により着工は凍結されていた。その間にも、日本の雅楽の総まとめ的な役割を果たしている雅楽協議会が声明を出すなど、高速道路と共生できる計画を目指して活動を続けてきた。だが、基本計画は大幅に変わることなく着工を迎えた。
鵜殿に高速道路が開通すれば、毎年春に行われているヨシ焼きは、煙等の制限から縮小せざるを得ないだろう。この事一つにとっても、葦の生育にはマイナス要素となる。先人たちが環境改善の試行錯誤を繰り返し、今では鵜殿の葦の育成環境も大分良くなってきただけに、ショックである。

失われた伝統技術を取り戻すのが、如何に難しいか一例を示そう。
「文羅(もんら)」と呼ばれる服飾技法がある。装束の冠の額に特定の文様を入れる際にも使われることで有名な技法である。〔参考:冠の名所(などころ)の図
この技法、平安後期には次第に使われる例が(冠や半臂、女房装束の裳のみ)減少し、有職故実が大きく散逸したことで有名な応仁の乱(1467)で中絶した。この技法が復元される動きが出てきたのが、昭和天皇の御大典(1928)の折であった。この間、実に500年。復元されるまでは、代替技術も生まれてきたが、完全に再現という訳にはいかなかったようで、置き換えには至らなかった。平安の世は今日のように優れた記録技術が存在しなかったとはいえ、復元までの500年と言う長さは、失われた伝統技術を取り戻す難しさを端的に示している。

以下は余談である。
佐野は大学時代に、消えゆく伝統文化をテーマに1年近く研究を行った。
文献を読み漁り、実地に赴き、調査を行う。
それらの体験から肌で感じたのは、失われた技術や文化を復活させるのは、本当に難しいということである。
たとえ、高度で完全な形で映像記録や文献が残っていても、それらから生まれるのは資料から再生産された(模倣された)文化でしかない。

本当に手遅れになる前に、関係各所が協力し、両者が納得できる形で解決できることを、切に願う。


北陸本専6 正誤表

5月20日に開催された北陸本専6で配布した小冊子において、誤表記がありました。

誤:
ここに挙げたサービス中で、毎日と日経は比較的近年(目安は1970~)の記事しか検索できないので注意が必要である。
〔本文3ページ目、新聞過去記事の段落〕

正:
毎日新聞(1970年~)、日本経済新聞(過去30年分*)が検索可能である。
*日経テレコン21による過去記事検索可能範囲

お詫びして、訂正いたします。

追記:
小冊子に挿入される予定だった、コラム「古書店で探す」が丸ごと抜け落ちていました。小冊子を読む分には、全く影響は有りませんが、せっかく書いたモノが抜け落ちていたのは痛恨の極みです。加筆訂正した次期版(北陸本専7 頃を予定)に収録予定です。次期版からは、平綴じオフセット版(性格にはオンデマンド版)に仕様が変更となります。

DTPの標準的なフロー外の作業で制作したため、漏れ落ちたのかも知れません。


北米版 精霊の守り人

表題で示した通り、精霊の守り人の北米BD版を購入した。

以前から欲しいと思っていた所で、廃盤の噂も聞いていたが、たまたまamazon.comにて「在庫あり」と表示がなされていたのでポチっと購入してしまった。
アニメ業界のビジネスとしては、海外版を売ったところで、本国である日本への金銭的還流は少ない。具体的には、翻訳費や吹替え音声のレコーディング等の追加費用とアニメ業界に蔓延する安売りで本国である日本へ落ちるお金は少ないと聞く。
そのような理由から、出来るだけ国内版を買っている佐野ではあるが、こと「精霊の守り人」に関しては、日本でBDが発売されていないという理由から海外版を買ってしまったのである。数あるショップの中でも、amazon.comは日本へのDVD/BDの配送料がトラッキング付き航空便(7~15日程度)を利用しても数百円と安い。日本の製造業が円高で喘いでいるが、稀には円高も役立つものである。日本全体では極度の円高は勘弁してほしいのだが…。
結局、日本円で総額4000円もぜずに、前編(1話~13話)が手に入った。国内のアニメBDの価格を考えると、中学レベルの英語力が必要になるが驚きの安さである。

さて、肝心の中身について。
日本で標準的なBDのケースに2層BDが2枚収録されている。幸いか、北米と日本が同じリージョン区分(A)の為、海外DVD購入後のような厄介な手間もなく、そのまま国内プレーヤーで再生できる。
ディスクのデザインやケースの質感は所有欲をかき立てられることもなく、価格なりといったところ。
映像は、1080i HD画像 (アスペクト比 1.78:1)、特典映像は480iのみ収録。
音声は、DTS-HD 英語/日本語 5.1/2.0ch(計4トラック)、特典のみ日本語DTS-HD2.0ch
となっている。英語字幕が用意されているが、数年前の海外DVDに多い焼き付け字幕(ハードサブ)ではない為、プレーヤーで任意に消すことができる。
一応、フルHDでの収録となっているが、原作の制作時期や画像の滲みが見受けられる点を考慮すると、フルHDではないハイビジョンマスターからのアップコンバートであるように思う。また、ディスク一枚あたり本編で160分弱が収録されており、日本で販売されているBDアニメと比較し、ビットレートは低めである。ビットレートの低下を甘受しても前後それぞれ2枚組、計4枚の構成はユーザーの利便性を考えると、巨大なアニメ商品が好まれないアメリカでは適当な落としどころかもしれない。

追記:
国内版がリリースされることが決定した模様。
「精霊の守り人」が9月にBlu-ray BOX化。29,400円 -神山監督×プロダクション I.G。2007年NHK放送 (AV watch)
ディスクの仕様は音声が、DTS-HDからドルビーTrueHD5.1chへと、2.0ch音声がリニアPCMに変更。当然ながら英語関係の字幕・音声は削除。DTSもドルビーも可逆圧縮なので同一マスターからでは品質は理論上変化しない筈。
ディスク枚数は北米版BDと同じく、2層メディア4枚。

個人的には、ビットレートの関係から、6枚構成では、と予想していたが外れ。
にしても約3万円。化粧箱の加工代等が余計かかっているのは分かるが、簡素なプラケースの北米版は為替レートを円安に振って見積もっても送料込の総額1万円程度。2年前の発売では状況が違ったように思うが、敢えて2万円高い(ほぼ北米版と同等な)国内版を選ぶ理由が見当たらない。これだけ価格差が開いてしまうと「内需拡大」の錦の御旗の下で購入しようとは思わない。


ブログデーターベースの破損

当ブログに使っているMovableTypeの管理画面にアクセスできない障害が発生した。
障害が問題となるのは、コメント投稿や記事の投稿などに限定されており、第三者の閲覧には全く問題が無かったという理由により、暇な時まで2週間ほど放置。

ユーザー認証画面から遷移できず、「ログインできませんでした。」と表示される。認証系の不具合から、cookieかセッション管理の問題だろうと見当をつけ、データベースの整合性をチェックすると、一部のテーブルが見事に破損していた。
どうやら、データベースのmt_sessionテーブルに不具合が起きると、このエラーが出るらしい。中身のレコードを覗いてみると、自動保存されたエントリーの中身なども保存されており、純粋に認証系のセッションデータだけではなく、雑多な保存先となっている模様。該当するテーブルに対して、SQLのOPTIMIZEコマンドやREPAIRコマンドを使って復旧を試み、成功。
幸い、SQLコマンドやphpMyAdminの様な復旧の手段が用意できたが、MovableTypeやWordpressのみを提供しているホスティングサービスだったら自力ではアウトだった。後になって調べてみると、この手のテーブル破損による障害は結構起きて、昔から被害者が出ているようだ。なお、MovableTypeはアップデートを行うと、データベースを書き換えるので前のバージョンへは戻れないという仕様が存在する。それなら、データベースを制御するコードをアップデートの際に書き換える、といった方策もあると思うのだが…。


北陸本専6 始末

前回は台風2号による大荒れの天気、前々回はJRが雨で運休と、何かと天候に恵まれていない「北陸本専」。
数日前から天気予報をチェックして気を揉んでいたが、当日は見事なピーカン。中部広域で大雨が降られると、高速を含め、あらゆる交通が遮断されるので、当日の天気は気がかりだった。
もっとも、世間の関心事は翌日21日の金環日食中の天気だろうが…。

富山県側から山側環状を経由して、金沢市街地へ。
北陸新幹線は、現在着工しているのが長野駅~金沢駅~白山車両基地と福井駅。市街地を走ると、新幹線用高架が目につく。当たり前だが、去年比で北陸新幹線が延伸している風景を目の当たりにして、複雑な気持ちになる。なぜなら、開業時には直江津~金沢までの在来線が第三セクターに移管がほぼ確定しているからだ。今の所、約20%程度の運賃の値上げ、優等列車の全廃(普通列車のみ運転)など、ロクな噂話を聞かない。さらに、県ごとに第三セクターが異なる為、例えば富山駅から金沢駅までといった越県列車の扱いも不明。
利用者の減少、赤字の税金補填、将来的には第三セク化した路線廃止という悪の地方鉄道スパイラルが発生するのでは、と危惧している。車を前提とした社会設計の地方都市、高齢化による財政圧迫など新幹線と引き換えに失うものがあまりにも多い、と暗澹たる気持ちで会場入り。
車は前回と同じく、近江町市場駐車場に駐車。サークル入場から閉会まで利用しても、1000円弱という低価格な料金で決定。少々分かりにくい場所に駐車場の入口があるが、近辺には看板が出ているので迷わない筈。会場まで駐車場から距離がある(徒歩15分位)ので、大きな荷物がある人は対策や他人への配慮が必要かもしれない。

会場の第一印象が大きな窓と晴天で非常に明るい。また、会場がデパート隣接物件だったこともあり、一般人への対応などスタッフが相当気遣っているのが窺われ、頭が下がる思いだ。
主催者側からは、事前に机が狭い旨の連絡を頂いていたが、ウチは頒布数・掲示物が少なくいので問題無し。ディスプレイを頑張って同人誌で紹介した物(図書総目録・ジャーナル・論文集など)を参考資料として持ち込むとさらに近寄りがたいオーラを発してしまうので丁度良いサイズ。
左隣は欠席されていた。愛読書である「海と毒薬」の二次創作とパンフレットに書いてあり、期待していただけに残念。
右隣は、横浜新聞研究所さん。全国紙から地域紙まで全国の新聞の評論を行うサークルさん。評論畑のなかで、希少種を並べたらこのような机配置になったのではないかと想像。

今回は、宗教情報を探す方法や専門図書館について書いたコピー冊子を配布。
オフセット印刷に回した方が楽なのだが、年始に色々なサービスの改変があり、ページ書き換え多数で断念。事実、国会図書館の部分はほぼ全部書き直しです。本体より訂正のペーパーが分厚いというのも、ネタ的には面白いが、利用者は傍迷惑なので、コピー本に落ち着きました。あと、情報は常に最新を提供しなければならない、という変な信念もオフセット印刷を断念した原因です。
幸いか、全く捌けなかったということなく、予想以上に頒布できました。全く出来なかったら、ブログのネタにするつもりでしたが…。

手に取って頂いた方から、「宗教の情報の探しにくさ」について質問があるなど、今回の目的である「探し方を紹介する」は概ね達成できたのかな、と。宗教に関しては、大正時代の政府の宗教姿勢「推奨すれども、強制せず。」に倣い、適度な距離をこれからも保っていく予定。コミケでの某サークルのように宗教団体(特に新宗教・新新宗教)の問題行為を週刊誌風に取り上げれば、それなりに数が出るのは分かっているが、佐野のやるべきことではないし、雑誌や他サークル様がやっているので敢えて他人の飯櫃に手を突っ込む必要もなかろうと…。
次回は、落とした映画関係と国内外の宗教系放送(日本で視聴できる・できた物限定)について語ることを予定している。国内の宗教関係のテレビ・ラジオ放送は番組自体が壊滅的に少ないので、伝聞が多くなるだろう。ページ埋めネタとした、宗教系BCL(海外短波放送)の方が多くなるという事態が目に見えている。

今回の最大の反省事項は、やはり金沢にも関わらずゴーゴーカレー圓八あんころを食べ損ねたことであろう。(そこかよ)

関連リンク:
北陸本専6 正誤表

追加:
「北陸本専」公式WebサイトURLが第三者に取得されていたので、公式URLを削除。
削除前の旧URLは、http://book-only.sakura.ne.jp/
(2013/12/17)


WD製HDD、RMAの顛末(後編)

梱包が終わり、後編です。
EMSラベルへの記入や梱包などの前編は1つ前のエントリーにあります。

最寄りの郵便局ではなく、支店窓口に最終便に間に合うよう、持ち込み。せっかく、EMSを利用するのに数キロ差で半日余計かかるのは勿体ないので…。
予定通り、最終便に積み込まれ、その日の内に最寄りの国際交換局に到着するも、通関業務が時間外のため翌日に持ち越し。
翌朝に通関許可、第一便でシンガポールへ向けて空輸される。WDのRMA業務を代行する業者が休日だった為、数日間シンガポールの配達局内に不在扱いで留置されてしまった。日本郵便がウェブサイトで案内している配達目安通り、配達局まで2日で到着している。推定飛行ルートは、NGO→SIN。

数日後、WDよりメールにて、RMAを受理した旨のメールが到着。この後、代替品のHDDの型番やトラッキング番号の情報が記載されたメールが送られてくる。今回の場合は、翌日には発送処理がなされたので、1通のメールに受理と発送の連絡が記載されていた。

受理の翌日、マレーシアの物流拠点からFedExが荷物をピックアップ。今回は、FedEx international economy扱いで発送された。
アジア地域では、中国の広州にハブ空港がある関係で、そちらを経由して関空に到着。配達先が、FedExの直接配達エリア外のため、別業者に委託され、ピックアップから8日で到着。推定飛行ルートは、KUL→CAN→KIX。

代替品のHDDは、中央にHDD用の穴があるスポンジシートに納められ、シート全体が上と下から片面波打ちのスポンジで挟まれていた。シンプルかつ確実に衝撃を緩和する梱包方法だと思われる。
ちなみに、またRMAを利用する際はこの梱包材一式は丸ごと再利用できるので、廃棄せずに手元に残しておくとよいと思われる。まぁ、本来ならばRMAなど使わないに越したことはないのだが。

今回は、ミドルレンジ用のBlueクラスのHDDをRMAしたが、代替品はハイエンド用のBlackで帰ってきた。いわゆる当たりの状態である。普通は同等品で返ってくるのだが、アップグレードされた背景には、タイ洪水による影響もあるのだろうか。WDの場合は、代替品の型番は枝番を含めて、トラッキング番号が記載されたメールに載っている。
この代替品のHDDは、新品と同じようなラベルで一見して分からないが、日付の後にRの文字が入っており再生品だということが示されている。裏側のコントロール基板も再生品らしく、経年によるランドの変色が見受けられた。S.M.A.R.T.値は通電回数2回、使用時間0時間となっていた。
この後、全セクタに読み書きを数回行い、純正ソフトで診断をかけてみたがエラーは見受けられなかった。どうやら一応は良品となって帰ってきたようだ。ごく稀に代替品が不良品で帰ってくることがあるので、未開封・未使用で売り飛ばす以外では、エラーチェックは必須だろう。それにしても、稀にあるという不良品が代替品として送られてくるという事案は輸送中に壊れたのか、そういう品質管理なのか、謎である。


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