色彩雫 – 月夜

表題の通り、パイロットの万年筆インク、iroshizukuシリーズの「月夜」を先日購入した。

それまで、手元にある万年筆インクは、
・LAMY ブルーブラック(古典BB)
・LAMY ブラック
・Pelikan ロイヤルブルー
・Sailor 極黒
と、極めて実用性一辺倒なラインナップだった。(極黒は製品の特長上、少々クセのあるインクだが…)
年末の忙しさから気を紛らわすのと、丁度「趣味の文具箱」vol.21でカラーチャート付でインク特集をやっていたという二つの理由から、カジュアルなインクの世界にも足を踏み入れてみることにした。カジュアルなインクというと、暖色系のインクは各社の製品で結構出ているが、赤色成分は万年筆内に残りやすく、色を変えるときに難儀するという話を聞いたので、そちらは選考から外した。
結局、購入したのは色彩雫の「月夜」である。以下は簡単なレビュー。

まず、楕円形をしたインク瓶が特徴的である。瓶の口には結ばれた銀色の紐がアクセントとして添えられている。梱包パッケージにも、インク瓶にも必要最小限の情報しか書かれていない、シンプルなデザイン。細かな注意書きはパッケージの中に同封されている。
キャップは万年筆のインク瓶にしては薄く、多く溝を切っていないので、少し回しただけで開く。インク吸引は普通で、問題は無い。ただ、瓶が楕円形の円筒で接地面積が少ないので、転倒を避けるためにできれば安定した場所で開栓したい。
色については主観的要素が多いのだが、名前の通り満月の月の縁を思わせる緑が若干入った青。
インクのフローは標準的で、太めのペン先で色の濃淡を楽しみたい。
完全乾燥後に流水と水を滴下する耐水テストを行ったが、染料系インクにしては健闘しており、水濡れ後もすぐに対処すれば視認性も良い。濡れた個所を拭いた場合、圧力からか裏抜けする場合が見受けられた。
総評としては、カジュアル要素がありつつも、ビジネス用としても使う場所を間違えなければ使えるという、なかなか面白いインクだと思う。流石にコレで契約書にサインなど重要書類は止めておいた良いと思うが。

参考までに、色見本はこちら。筆記環境は下記を参照。
用紙:Rhodia ブロックノート(80g/m2)
万年筆:LAMY Safari(EF)


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