ガイガーカウンター自作

昔、秋月電子のキットに浜松ホトニクスのGM管を使ったガイガーカウンターがあった。
正確には、カウンターという立派な代物ではなく、GM管の放電反応をダイレクトにブザー音で知らせる物だった。

当時、中学生だった佐野は秋葉原の店頭でこんな物まであるのか、と驚嘆したことを覚えている。まだ秋葉原界隈が未成熟で、だからこそもっと刺激的だった頃の話だ。
ただ、使われている部品が部品故に、秋月電子のキットの中でも値段が高く、中学生が簡単に出せる金額でなく結局買わずじまいだった。
そして、キットに使われているGM管はメーカー都合により廃止品となり、いつの間にか店頭からキットは消えていた。(風の噂によると、GM管担当の人が退職したので製造できなくなり廃止したとも聞くが真相は不明)

そして、忘れもしない3月11日の事故を日本は迎える。
この日以降、「ガイガーカウンター」という単語は市民権を得、巷にはドイツ製など実績のある物から怪しい物までガイガーカウンターは流通することになる。
そんな状況を指を佐野は咥えて見ているだけだったが、ついにSBM-20という管を使ったガイガーカウンターのキットを某所から入手した。キットにはカウンターなどと名前が付いているが、このキットでSvへの換算などはやらない方が良い、場の線量の多い少ないを確認する程度の代物である。一応、メーカーの設計通りならばcpmからSvへ変換できるが、無校正・低線量由来のノイズを考慮すると下手にやらない方が良いだろう。

早速、久しぶりの半田付けを楽しんだあと、実際に身の回りを測定してみた。
Sv/hへの換算もできるので、測定してみたが(繰り返すが、個人的にはcpmからの換算はお勧めしない)概ね公表されている値と佐野の住んでいる場所では数割り増しの値が出るだけでだった。これはベータ線もカウントしているからだろう。
福島辺りでは草地と更地で有意差が出ると聞いていたので、ここ(中部エリア)でも試してみたが、地表積算10分の測定では誤差程度しか差は出なかった。

人間の五感では感じ取れない放射線を検知できるようになって、測定マニアとしては被害に遭われた方には不謹慎だが放射線の計測は中々面白い。本当はこんな日々が訪れるべきではなかったのだが。
余談だが、コレクションのウランガラスや放射能を含んだ鉱石の状態を確認できるというメリットもある。

まだ夢の中に居る。


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