ブルーブラックインクの化学洗浄(簡易版)

久しぶりに使っていない万年筆の手入れを行った。
そのうち一本がインクを入れたまま保管していたことが発覚。しかも運悪く、そのインクは古典ブルーブラックだった。軸に結晶化したインクが付着していることが事態の重さを示している。

早速、お湯でクリーニングを行ったがなかなか綺麗にならない。
そこで思い出したのが、この古典ブルーブラックインクの万年筆へのこびりつきを化学的に落とすというエントリー。
本来なら、和光やナカライテスクの試薬を取り寄せて使うべきなのだが、時間が無かったのと鉄ペンだったので手軽にアスコルビン酸洗浄を出来る方法を編み出した。

今回のアスコルビン酸洗浄で使うのは、DHCビタミンCハードカプセルとカッターである。
このDHC製品は40錠(実売250円)入りで、試薬に比べると手軽で安い。製品の原料はビタミンC、ゼラチン、カラメル、酸化チタン、ビタミンB2となっている。
カッターでこのカプセルを分解して内容物を取り出すことで40錠から2Lの洗浄液を作ることができる。また、分解による利点として洗浄液にゼラチンとカラメルが混入することを防げる。
カプセル内のビタミンB2は水溶性で含有率も0.1%なので短時間では問題ないと判断した。酸化チタン自体は白色粉末で、カプセル内の容量調整の為に入っているような気がするが、確信は無い。というのも酸化チタンは一般に水には不溶性にもかかわらず、カプセルの内容物を溶かした水に沈殿は見受けられなかったからだ。残るは、極めて少量で水中に浮遊しているか、カプセル自体の成分でか、だ。
なお、酸化チタンは水に浮遊している場合、万年筆に残る可能性が全く無いとは言えないので注意されたい。

現在、洗浄中。
カッターで分解した際に発生した屑が洗浄液に混入していたので、上澄み液を使うなど工夫が必要と思われる。洗浄能力など結果は後日。

追記:
一日放置してみたが、そこそこ落ちる気がする。
今回作成した洗浄液(100mlに対して1.5gを溶解)はビタミンB2の影響か非常に黄色い。汚れが軽微な場合は洗浄液の色に変化が見えない可能性がある。


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