同人誌と情報化の波

く、腐ってやがる。

これが、5月に配布した同人誌を手入れした偽らざる感想である。
何が腐っているのか。掲載した情報が劣化しているのである。

5月に頒布した同人誌は、非常に硬い内容にもかかわらず、想定以上の数が出た。
それからまもなく、半年が経とうとする。情報技術の進歩は相変わらず目を見張るもので、その速度故に犬の成長に譬えてドッグイヤーとも言われている。近年、ICTの進歩の恩恵を受ける図書館業界もまた、目まぐるしく変化している。一例を出すならば、国立国会図書館サーチが連携検索としてCiNii Booksのデータも検索できるようになった。また、5月15日からは、所蔵する博士論文をデジタル化し、インターネットで閲覧できるようになるサービスも提供されるようになった。(註) 今や情報は施設や機関を超えて利用されるようになったのである。
このような情勢の中で、可能な限り、鮮度の高い情報を提供しようと思い、あえてオフセット(オンデマンド)印刷ではなく、コピー誌として頒布した。それでも直前まで手入れした同人誌が半年で腐臭を放ちつつある。これに対して、どう対処するのが望ましいか、ここ暫く考えてきた。
5月配布の同人誌の8割を占めていた各種情報ページ(調査の方法、機関、利用案内)の割合を低下させるために、図書館訪問記といった比較的劣化の速度が遅い情報を新規に書き入れるのが望ましいとの結論に至った。このようにすれば、更新の要求は緩やかなものとなり、今までは劣化を警戒して行わなかった、オフセット印刷も可能になるだろう。
情報ページの大幅な手入れ、施設訪問記の書き下ろしで、新訂増補という名を書名につけれる仕上がりになるであろう。初蔵出しは次回の北陸本専を予定している。

註:
インターネット経由で閲覧ができるのは、著作権消滅・著作権者から公開の許諾を得た論文のみ。それ以外の論文は、目次のみをインターネットで公開。


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