残念な電子図書館 NII-Electronic Library

日本を代表する学術論文検索サービス、CiNii Articles
佐野も便利で学部生の頃から使っている。
一部の論文は、PDFデータとして無償ないしは有償でオンライン公開されおり、検索結果からシームレスに閲覧できる。ただ、このサービスが残念な仕上がりになっている。

公開されている論文がPDF内に画像として保存されているのだ。
著作権保護のためか、提供されるPDFファイルはパスワードによって保護されている。許可されているのは文章の「印刷」のみだ。
結果として、論文内を検索することができない。正規に論文内を検索しようと思えば、一度紙に印刷したものをOCRにかけるという人的、物的に資源を浪費する方法を採らなければならない。
従って、利用者が後から各々のAcrobatに搭載されているOCR機能を利用することは許されていない。提供されているデータは高品位な画像データだけに、OCRによる電子化がなされていないのは残念である。PDFの設定によっては、OCRによる文字を埋め込んだまま、本文のコピーを防ぐということもできる。もし、電子化データの流出を防ぐという意味で保護をかけ、OCRをしていないのであれば、それは実質的に無意味な行為である。世界にはPDFのパスワード保護を無効化するソフトが市販されており、これを使えば、無劣化でAcrobatのOCR機能などが利用ができてしまうからだ。
根本的に防ぐにはDRMの導入しかないが、学術的なサービスには相いれないだろう。

根源的な問題には、現行著作権制度が学術著作物に求められるであろう著作権保護と合致していない点がある。
雑誌に掲載された論文は一本全部を複写できるが、論文集になるとそれが出来なくなる、などというのはその最たる例であろう。

話が逸れた。
もう一つ、PDFファイルには気になる点がある。
サービスを利用したユーザー名、日時、IPアドレスがメタデータとしてPDFに埋め込まれているのだ。
家庭などのパーソナルな場所からのアクセスでは問題ないのだろうが、学校や企業からでは場合によってはIPアドレスが漏れるとまずい場合があるだろう。これも、著作権に配慮したものと推定できるが、それならPDFにユニークなIDを割振り、提供サーバーにログを保存しておけば済む話だ。


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