本エントリーは本田透著の『電波男』とは全く内容が関係ありません。念のため前述。
人間の叡智を集結して作られた筈の原子力発電所が事故を起こしてまもなく2ヶ月。
色々なメディアで放射線や放射能のことが語られてる。これを機に前々から暖めていたネタを披露することにする。
放射線と一口に言っても、アルファ線やベータ線、ガンマ線など様々な種類がある。さらにその実態はヘリウムの原子核であったり、エネルギーの違う電磁波(電波)であったりと実に多様である。
今回、重要なのはガンマ線である。これは大雑把にいって電磁波の一種である。
ここまでが、今回のエントリーを理解するのに必要な知識である。
数年前、諸事情があって脳血流シンチグラフィを受けた。
脳血流シンチとは超大雑把に言って、脳の機能、特に血流量を画像化する医療技術だ。これに対して、CTやMRなどは脳の形自体を基本的には見ている。
この脳血流シンチにはトレーサーと呼ばれる薬品を使うが、一般的にはガンマ線を放出する99mテクネチウムを静注する。そして血流によって脳に薬品が到達した頃合を見計らってガンマカメラというガンマ線を検出する機材で画像化する。
検査を受ける本人はMRのように数十分間横になっているだけなので、比較的楽な検査である。特にすることもないので、今佐野の脳から放射線が沢山出ているんだろうな、などと考えていた。そういえば、放射線といってもガンマ線なので電磁波、つまりこれは脳から電波が出ている状態である。
まさに、電波男な状態だなぁ、などと暇な検査中に考えていた。
以下、余談。
検査前にトレーサーを注射器で静注するのだが、注射器から放射線が出ているので放射線防護上、外見が普通の注射器とは違っている。注射器の筒が遮蔽効果のあるタングステンのシールドに覆われていて、注射薬の内容量を確認する窓というか溝には鉛ガラス。
ちょっと物騒な注射器が使われています。
実際の注射器の画像はコチラ