大震災と宗教者

東北を支援しようという輪は日本はもとより、世界にまで広がりを見せている。
殆ど報道はされていないが、宗教界からも支援が広がっている。

しかし、支援主体が宗教団体の場合、教団名を大っぴらにすると、逆に怪しまれたり利用されるのでは、と被災者が思ってしまう事が少なくない。大抵の場合は、そういった事情を配慮して所属をアピールすることなく、ただ一支援者としてサポートに回ることが多い。
一支援者としての支援となると、○○教団は何を支援した、という情報がマスメディアから流れなくなる。唯一統制のとれた情報源は各々の教団が出している広報媒体だが、これをチェックするには相当の労力を要する場合が多々ある。

ちなみに阪神淡路の時は、新宗教・新新宗教団体の活躍が素晴らしかった。
特に公共団体がまだ動いていない初動時期においてヘリをチャーターして食料物資を空輸する教団・大規模な医療チームを派遣する教団…などである。ある程度支援が進むと、地味に仮設トイレを清掃する教団も現れてきた。伝統宗教は、と言うと残念ながら十分に活躍できなかった。そもそも社寺が被災しており、自分の事で手一杯、他人のサポートまで出来ないという状況が多かったと聞く。

翻って、今回の震災。
情報技術はあの当時から大幅に進歩した。各教団の支援状況がほぼ一日更新で分かるサイトが現れるなどした。阪神淡路の時よりはかなり情報入手は易しくなってる筈である。所轄庁には、十分情報収集をお願いしたい。それが公益法人を監督する務めであるように思う。

無事復興し、その時宗教者は何をしたかを確かに歴史に残すために。


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