表題で示した通り、精霊の守り人の北米BD版を購入した。
以前から欲しいと思っていた所で、廃盤の噂も聞いていたが、たまたまamazon.comにて「在庫あり」と表示がなされていたのでポチっと購入してしまった。
アニメ業界のビジネスとしては、海外版を売ったところで、本国である日本への金銭的還流は少ない。具体的には、翻訳費や吹替え音声のレコーディング等の追加費用とアニメ業界に蔓延する安売りで本国である日本へ落ちるお金は少ないと聞く。
そのような理由から、出来るだけ国内版を買っている佐野ではあるが、こと「精霊の守り人」に関しては、日本でBDが発売されていないという理由から海外版を買ってしまったのである。数あるショップの中でも、amazon.comは日本へのDVD/BDの配送料がトラッキング付き航空便(7~15日程度)を利用しても数百円と安い。日本の製造業が円高で喘いでいるが、稀には円高も役立つものである。日本全体では極度の円高は勘弁してほしいのだが…。
結局、日本円で総額4000円もぜずに、前編(1話~13話)が手に入った。国内のアニメBDの価格を考えると、中学レベルの英語力が必要になるが驚きの安さである。
さて、肝心の中身について。
日本で標準的なBDのケースに2層BDが2枚収録されている。幸いか、北米と日本が同じリージョン区分(A)の為、海外DVD購入後のような厄介な手間もなく、そのまま国内プレーヤーで再生できる。
ディスクのデザインやケースの質感は所有欲をかき立てられることもなく、価格なりといったところ。
映像は、1080i HD画像 (アスペクト比 1.78:1)、特典映像は480iのみ収録。
音声は、DTS-HD 英語/日本語 5.1/2.0ch(計4トラック)、特典のみ日本語DTS-HD2.0ch
となっている。英語字幕が用意されているが、数年前の海外DVDに多い焼き付け字幕(ハードサブ)ではない為、プレーヤーで任意に消すことができる。
一応、フルHDでの収録となっているが、原作の制作時期や画像の滲みが見受けられる点を考慮すると、フルHDではないハイビジョンマスターからのアップコンバートであるように思う。また、ディスク一枚あたり本編で160分弱が収録されており、日本で販売されているBDアニメと比較し、ビットレートは低めである。ビットレートの低下を甘受しても前後それぞれ2枚組、計4枚の構成はユーザーの利便性を考えると、巨大なアニメ商品が好まれないアメリカでは適当な落としどころかもしれない。
追記:
国内版がリリースされることが決定した模様。
「精霊の守り人」が9月にBlu-ray BOX化。29,400円 -神山監督×プロダクション I.G。2007年NHK放送 (AV watch)
ディスクの仕様は音声が、DTS-HDからドルビーTrueHD5.1chへと、2.0ch音声がリニアPCMに変更。当然ながら英語関係の字幕・音声は削除。DTSもドルビーも可逆圧縮なので同一マスターからでは品質は理論上変化しない筈。
ディスク枚数は北米版BDと同じく、2層メディア4枚。
個人的には、ビットレートの関係から、6枚構成では、と予想していたが外れ。
にしても約3万円。化粧箱の加工代等が余計かかっているのは分かるが、簡素なプラケースの北米版は為替レートを円安に振って見積もっても送料込の総額1万円程度。2年前の発売では状況が違ったように思うが、敢えて2万円高い(ほぼ北米版と同等な)国内版を選ぶ理由が見当たらない。これだけ価格差が開いてしまうと「内需拡大」の錦の御旗の下で購入しようとは思わない。